前回の投稿に続き、山梨県の美術館をご紹介。
今回は、北杜市にある八ヶ岳を望む場所にある清春芸術村。
アート好きはもちろん、建築好きも必見の施設です!
近くで見つけたアフリカンアートの美術館もご紹介
清春芸術村について
八ケ岳、南アルプスそして富士山が見渡せる桜の名所でもある清春芸術村。
美術館ができる前は、旧清春小学校の跡地だったようです。
ここの桜は1925年に同校の校舎落成した際に児童によって植樹されたもので、
樹齢90年を超える老巨木になって今も春になるとその花を咲かせるそうです。
春に再訪しようと決意…。
ここに武者小路実篤が「白樺」で語った理想の美術館建設を実現させるべく、
実篤らと親交のあった吉井長三が私財を投じて完成させたことが出発点。
この「清春白樺美術館」とアトリエ「ラ・リューシュ」を中心に、
その後建築・移築された文化施設複合したものが現在の清春芸術村です。
芸術村内各施設について
前述したとおり複数の施設がありますので、主要なものをご紹介。
清春白樺美術館
前述の通り、白樺派の想いが詰まった美術館。
雑誌『白樺』創刊号から最終号まではもちろん、
白樺派各人の書簡や原稿などが展示されています。
また、白樺派が愛したジョルジュ・ルオーの作品が多数展示。
中は、撮影禁止になっていますので、画像はありませんが、
階段や壁をうまく使い、平面ではない展示がなされています。
ラ・リューシュ(La Ruche)
エッフェル塔で有名なギュスターヴ・エッフェル設計の建物。
パリに現存する本家La Rucheと同設計で1981年に建築されたもの。
もとはパリのLa Rucheが取り壊されることとなり、移築する予定だったが、
現地での保存が決定したため、設計図を買いとり再現することなったそう。
ミュージアムショップはこの建物の一角にあります。
本家の思想を受け継いで宿泊型のアトリエとしても使用できるようです。
※アトリエの利用はサポーター会員(\20,000/年)になる必要あり。
光の美術館
安藤忠雄設計で2011年に創設された美術館。
安藤建築に見られる自然光を活かした人口照明がない展示室が特徴。
スペイン現代アート界の巨匠であるアントニ・クラーベの作品が常設展示されています。
ダミダ個人的には芸術村の施設で一番好きな施設。
自然光の入り方や日の差し方で展示室内の印象が変わり、
何度来てもクラーベの作品の印象が違ってみえます。
ルオー礼拝堂
白樺派から愛された宗教画家ジョルジュ・ルオーを記念した礼拝堂。
礼拝堂ということもあってか、芸術村の中でもひと際静かに時が流れている。
ルオーの銅版画が印象的に掲げられている。
ステンドグラスやキリスト像もルオー自身が制作・彩色したもの。
企画展情報
その他にも、実際のエッフェル塔螺旋階段の一部(!)や、茶室、図書館など、
まさに芸術村と呼ぶに相応しい文化複合施設となっています!
さらに!!
11月17日(土)からは、光の美術館にて篠山紀信『光の情事』がスタート!
アントニオ・グラーベの作品とともにマネキンやモデルが登場し、空間を創り出すようです。
篠山紀信の野心的な新作は1月27日(日)までの開催です。
清春芸術村
時間:10:00~17:00
休館:月曜(祝日の場合は翌日休館)
料金:一般1500円、大高生1000円、小中学生無料
※白樺美術館・光の芸術館入館料含む
そして、帰り道にAFRICAN ART MUSEUMの文字を発見。
清春芸術村には何度か来たことはあったのですが、
今まで気づきませんでした…ごめんなさい。
ということで、早速行ってみました!
アフリカンアートミュージアムについて
紀元前から近代までのアフリカ美術を展示する美術館。
入館受付の際に各展示物に関する説明が書いたファイルを貸してもらえるので、
それぞれの作品がどのような意味を持つのかが理解できます。
ダミダとチャンリはすぐに説明を読まず、
あーでもない!こーでもない!と議論してから、資料に目を通していました!
世界共通の価値観だなと思うものもあれば、
現地の価値観に驚くものもあり、どの展示も興味をそそられます。
西洋の価値観とは違うことから、未開、野蛮といった評価を押し付けられてたアフリカ芸術。
しかしピカソをはじめ近代の芸術家たちは、西洋の概念に捕われないその芸術性に
イマジネーションを受け、その制作に活かしたと言われています。
…(前略)何よりも生きるための願いがこもった魂の造形だからです。
これは、精神的な創作の原点であり、20世紀の芸術家たちだけではなく、
現代の私たちが観ても、心打たれるのではないでしょうか”
AFRICAN ART MUSEUMホームページより
まさに魂のアート。
清春芸術村と併せて再訪したい美術館です。
※12月から3月までは冬季休館となるのでご注意ください。
アフリカンアートミュージアム
時間:9:30~17:00
休館:火・水曜(祝日は営業)、12月~3月は冬季休館
※7・8月は無休
料金:一般700円、学生600円