東京エキナカ美術館!東京ステーションギャラリーに行ってみよう

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東京

東京の玄関口東京駅の中に美術館があるのをご存知でしょうか?
その名も東京ステーションギャラリー

JR東京駅丸の内北口改札から徒歩10秒!というアクセス抜群のこの美術館。
美術作品だけでなく、東京駅の歴史についても知ることができる貴重な施設です。

アート好きはもちろん東京観光の行きや帰りの隙間時間にもおすすめのスポットです!
今回はそんな東京ステーションギャラリーをご紹介します。

東京駅について(開業から復原工事まで)


東京ステーションギャラリーがある東京駅は日露戦争が終わった1908年に本格的に建設が開始され、1914年に開業しました。建築設計は「日本近代建築の父」とも称される辰野金吾によるもの。皇居の正面に位置しており、東京の玄関口として多くの人々を迎えてきました。

1923年の関東大震災でも大きな被害を出さなかった強固な東京駅ですが、戦中の東京大空襲ドーム屋根や内装の大半が失われてしまいます。かろうじて残ったレンガ造の壁やコンクリート製の床を元に終戦直後から修復計画が始まります。

1947年に3階建てだった駅舎を2階建てにし、一回り小さい姿で修復工事が終了します。この際、残存していたアーチなどのレリーフは新設されたローマのパンテオン風ドームで隠されてしまいます。当時は出来るだけ早く本格的な建て直しをする予定で「4、5年持てば良い」という前提で修復がされたそう。しかし本格的な建て直しは結局2007年まで先延ばしになりました。

そして2012年10月1日、ようやく東京駅は戦前の姿を取り戻し、グランドオープンします。

東京ステーションギャラリーについて


そんな激動の歴史を送ってきた東京駅内に、今から30年前の1988年に東京ステーションギャラリーがオープンします。2006年に東京駅復原工事に伴い一時休館しますが、2012年に改修工事を終えリニューアルオープン

館内の壁は、東京駅の象徴である赤レンガが剥き出しとなっている部分白壁が使われた空間があり、展示内容や企画展ごとに違った表情をみせてくれます。

「くまのもの 隈研吾とささやく物質」展(2018 年3月3日~5月6日開催)

またドーム状になっている階段部の装飾などは、駅舎と同じくモダンな空気感をまとった佇まいとなっています。美術館全体がもはやアートの一部といった雰囲気を楽しむことができます。

そんな東京ステーションギャラリーではアート作品だけでなく、東京駅の歴史に触れることができる場所も多く残っています。

館内の階段の壁

こちらは建設当初の駅舎壁がそのまま残されており、重要文化財になっています。黒くなっているのは東京大空襲の際に燃えて炭化した木材だそう。手を触れることは出来ませんが、建設当時のレンガを間近で見ることができます。

またJR丸の内北口改札からドームを見上げると、ドーム2階部分に廊下があることが分かります。実はこの廊下は東京ステーションギャラリーと繋がっていて、東京駅の貴重な資料が展示されています。

建設当初の東京駅舎模型

こちらは建設当初の東京駅です。現在の姿と比べるといかに忠実に再現されているかがわかります。下の戦後に修復された駅舎模型と比べてみてもおもしろいです。

戦後修復された東京駅舎模型

戦後すぐに修復された際の東京駅の模型です。現在は復元された南北のドームがなく、八角形の屋根になっています。上の建設当初の模型と比べると、3階建てだったものが2階建てになっていて、全体的に小さくなっているのが分かります。

東京駅十二支のレリーフと佐賀県

東京駅ドーム内部に設置されている干支のレリーフのレプリカです。ドームを見上げると実物のレリーフを見つけることも出来ますが、ここではより間近に観察することができます。

このレリーフは八角形の建物に設置されており、それぞれの方角を指す8個のレリーフで構成されています。つまり4つの干支が欠けています。欠けているのは、方位でいうと、ちょうど東西南北にあたる「子(ね)、卯(う)、午(うま)、酉(とり)」。

実は残りのレリーフは、佐賀県で見つかったそうです!

この4つのレリーフは武雄温泉の楼門に設置されていて、最近になってその関連性が発覚しました。「武雄温泉楼門」を設計したのは、東京駅と同じく辰野金吾。このレリーフは辰野の遊び心だったのではないかということです。

また美術館に入ると丸の内北口改札を上から見下ろすこともできます。ドームの構造もより近くでみることができる入館者だけの特等席です。

ロゴについて

東京ステーションギャラリーのロゴは英文頭文字Tを、三つの煉瓦をつなぐ「目地」をモチーフにデザインされているそうです。
三つの煉瓦は、「近代美術の再発見」「現代アートへの誘い」「鉄道・建築・デザインとの出会い」を表していて、人と文化、東と西、東京と地方等の起点となりつないでいく、という東京駅にある美術館ならではの素敵な思いが詰まっています。

現在開催中の企画展「吉村芳生展」


そんな歴史ある東京ステーションギャラリーでは現在吉村芳生展を開催中です。

この展覧会のタイトルは、ずばり…

吉村芳生、超絶技巧を超えて

タイトルの通りその作品は思わず目を疑うほどの繊細緻密なものばかり。

その制作スタイルはとても独特で、一枚の絵を細かいマス目に分けて、そのマスの色ぬりを積み重ねていくというものです。

制作過程を考えるだけで気が遠くなってしまいます。もはや変態の域でした…

日常にあるものをモノトーンで描いた初期作品から色鉛筆で花々を描いた後期作品まではもちろん、生涯を通じて描かれた自画像も本当に凄い。

「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展 公式図録より

見ればその技術と根気に圧倒されること間違いなしです。

東京駅の歴史とともにぜひご覧ください。

美術館情報
東京ステーションギャラリー
時間:10:00~18:00(金曜日10:00~20:00)
休館:月曜日(祝日の場合は火曜日/ただし会期最終週、ゴールデンウィーク・お盆・シルバーウィーク期間中の月曜日は開館)、年末年始、展示替期間
料金:企画展により異なる
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/