富士山の麓に位置するクレマチスの丘。ヴァンジ彫刻美術館、ベルナール・ビッフェ美術館を中心とした見所の多い文化複合施設です。長泉町という三島市と沼津市に挟まれた場所にあり、JR三島駅から無料シャトルバスが運行されていますので、電車での来訪もオススメ!
広大な敷地には、美術館のほかにも素敵なレストランやカフェもあるので、ゆっくり美術鑑賞を楽しみながら優雅な一日が過ごせるスポットになっています。
そんな静岡県のアートスポットをご紹介!
Contents
ヴァンジ彫刻庭園美術館
イタリアの現代彫刻家ジュリアーノ・ヴァンジの世界唯一の個人美術館。
2002年にオープンし、クレマチスの丘の中核をなす美術館です。
美術館紹介の前にまずは、ヴァンジという人物をご紹介!
ジュリアーノ・ヴァンジについて
フィレンツェ近郊出身の現代彫刻家。ベネチア・ビエンナーレ100周年記念展で大作を出展したの機に、教会や広場などの公共空間での制作が相次ぎ、ピサ大聖堂やバチカン美術館など、イタリア国内のさまざまな場所で作品が展示されています!
すでに80歳を超える高齢ですが、近年も作品を発表し続けてようです。まさに巨匠という呼称がピッタリなお方ですね…。
美術館について
1960年代から現在までのヴァンジ彫刻が常設コレクションされています。屋内での展示はもちろん、庭園内にも作品が展示されていて、季節ごとに変わりゆく自然とヴァンジの作品が合わさった空間となっています。また庭園は”その名の通り”四季折々のクレマチスが咲き誇る。
天気のいい日はベンチに座って、ゆったりと作品を眺めたくなる場所ですね。
どんな作品が展示されているのかを少しご紹介!
レリーフ 風景の中の人物
美術館の入口を入ってすぐの場所に飾られているモザイク壁画。砂浜を歩く女性とその女性を見つめる男性が描かれていて、なんだか哀愁を感じます。
竹林の中の男
竹林の中を歩いている男の姿です。その顔は泣いているように笑っているようにも見えます。この作品のようにブロンズに顔の部分だけ着色がされた作品もヴァンジ彫刻の特徴のひとつ。
紫の服の男
鮮やかな紫色の彫刻。モデルとなった写真が横に並んでいるのが印象的。個人的には美術館内で一番好きな作品でした。
花柄の服の女
素材そのものが活かされていて、まさに花柄のように見える作品。個人的にまず作品を見てイメージを膨らませてからタイトルを見るタイプなんですが、タイトルを見てすごく納得した作品。
他にもたくさん面白い作品がありました。あえて画像を載せませんが、「チューブの中の女」はぜひ見て頂きたい狂気を感じる作品…。
館内いたるところに様々な表現で人が象られていて、まるで人間観察をしているような気分になる美術館でした。見る角度や光の入り方でその表情も違って見えるので、いつまでも眺めていられる作品たちです。
美術館情報
ヴァンジ彫刻庭園美術館
時間:10:00~18:00
※2・3・9・10月は17:00まで
※11~1月は16:30まで
休館:水曜および年末年始
料金:大人1,200円、高・大学生800円、中学生以下無料
※11月~3月までは大人1,000円、高・大学生500円
HP:https://www.clematis-no-oka.co.jp/vangi-museum/
ピッツェリア&トラットリア「CIAO CIAO(チャオチャオ)」
ヴァンジ彫刻庭園美術館の入口の横にあるレストラン。入口や店内にいる子豚がかわいい…。契約農家から仕入れる静岡県産にこだわった食材や、窯で焼き上げる本格ナポリピザが人気のお店だそうです!ランチを済ませていたので、カフェ利用でコーヒーを頂きました。
クレマチスの丘にあるものの、特に美術館の入館料等は掛からない施設なので、このレストランのみ利用するお客も多いようです!暖炉が素敵な空間を演出していて、クリスマスにくるのもいいかも!なムードでした。
飲食店情報
ピッツェリア&トラットリア「CIAO CIAO(チャオチャオ)」
時間:10:00~21:00
休館:水曜および年末年始
HP:http://www.clematis-no-oka.co.jp/012_shisetsu/014_ciao/014_top.html
ベルナール・ビュフェ美術館
お次は、戦後における具象画壇の旗手ベルナール・ビュフェの美術館。こちらの美術館はクレマチスの丘が誕生する前から当地にある美術館です。1973年オープンで2018年に開館45周年を迎えました。
ビュフェ美術館まで向かう道について
ヴァンジ彫刻庭園美術館からは少し距離があり、徒歩約15分です。
ビュフェ美術館用の駐車場もありますので、車で向かうことも出来るのですが、吊り橋を歩いたり、ちょっとした自然の小径が続いていますので、徒歩移動がおすすめ。
お散歩も楽しめますし、良い意味で次の美術館へ気持ちがリセットできますよ!
ベルナール・ビュフェについて
第二次世界大戦後の具象絵画の代表的画家。直線的な線描と抑えられた色彩が戦後の人々に共感を呼びました。その後結婚などを経て色彩が豊かになるなど作風も少しづつ変遷していきましたが、強烈な直線的線描は晩年まで変わらず、現代においてまで確固たる評価を得ている作家です。
71歳で亡くなられたのは1999年のことなので、何度となく自身の美術館であるこの美術館に足を運んでいます。1996年の最後の来日にはこのような言葉を残しているそうです。
「素直な愛情をもって、絵と対話してほしい。絵画はそれについて話すものではなく、ただ感じ取るものである。ひとつの絵画を判断するには、百分の一秒あれば足りるのです」。
ベルナール・ビュフェ美術館HPより
企画展について
ビュフェ作品以外の企画展が開催していることもあります。来訪した際には、「世界を変える美しい本 インド・タラブックスの挑戦」が開催中でした。今出版業界で話題となっているインドのチェンナイにある出版社「タラブックス」の企画展。編集者として彼らのデザインだったり、完全ハンドメイドの取り組みに本当に刺激を受けました。
ビュフェこども美術館について
この美術館の大きな特徴が「ビュフェこども美術館」という施設。こども達が美術と出会うきっかけとなる場を提供しています。たくさんの絵本が置かれているのは、もちろんこども達が絵を描きたくなるような空間も。
おもしろいのは、絵の登場人物になれるヘンシンコーナー。こども用のサイズしかないのですが、一番大きなサイズをチャンリが着れたので撮影してみました。本当の絵は帽子をかぶっていないのですが、どんな絵なのかはぜひ皆さん現地で確認してみてください!
こども用の手洗い場や授乳室があることもファミリーには嬉しいですね!手洗い場には雲が浮いていました!!家族で来ても楽しめる仕掛けづくりとして全国の美術館でも珍しいスペース。
美術館情報
ベルナール・ビュフェ美術館
時間:時間:10:00~18:00
※2・3・9・10月は17:00まで
※11~1月は16:30まで
休館:水曜および年末年始
料金:大人1,000円、高・大学生500円、中学生以下無料
HP:https://www.clematis-no-oka.co.jp/buffet-museum/
この他にも氷壁やシルクロード関連作品で有名な井上靖文学館、2019年4月にリニューアルオープン予定のIZU PHOTO MUSEUM(現在休館中)と見所満載!
休日はゆったりと美術鑑賞に静岡に出かけるのもおすすめです!